オシャレなファイルマネージャーで管理と共有

第94話:=四魔帝外伝=《神に仕えし者の章・始まりの序曲H闇・蝕・無》

作:邪神王ウロボロス


-From 93-



クルトが家に戻らずに数日経過していた。

家では母メイアと父ジョセフはかなり心配していた。

メイア「クルトはどうしたのでしょう・・」

ジョセフ「ふぅ・・町中探したが見つからなかったからなぁ・・・」

二人は最愛の息子が戻らぬ事にかなり落ち込んでいたのであった。

それを知らないフィアナはクルトに貰った書類について詳しく聞く為にクルトの実家へと訪ねてきたのであった。

フィアナは家の玄関をノックした。


   コンッ!!

   コンッ!!


中からメイアが出てきた。

メイア「あら、フィアナちゃんいらっしゃい、でも、クルトはまだ帰って来てないのよ・・」

フィアナは何も知らなかった。

メイアが何を言っているのか意味をわからないままでいた。

フィアナ「帰ってないって?学校へは来てなかったですよ?」

メイアは少し顔が暗く沈んでいた。

メイア「まあ、とりあえずうちにあがっていって。」

メイアはフィアナの手をとって家の中へと導いた。

メイア「あなたぁ、フィアナちゃんが来たわよぉ。」

奥のほうでジョセフの声がした。

ジョセフ「おお、フィアナちゃんいらっしゃい。」

そして、フィアナは導かれるまま家の中へと入り、テーブルの前の椅子に腰をかけた。

フィアナ「ところで、おじさんおばさん、クルトが帰ってないって何処に行ってるのですか?」

フィアナは二人に問いかけた。

ジョセフ「フィアナちゃんも知らないのか・・・数日前に出掛けたまま戻ってきてないんだよ・・」

フィアナ「そんなに帰ってきてないのですかぁ(数日前ってたしか、城へ慌てて行った日からなのでは?)」

メイアの顔はかなり心配して暗い表情をしている。

ジョセフ「そのせいで、母さんもこのとおりだぁ・・」

フィアナはハッと思い出したようにクルトに渡された書類をテーブルの上に置いた。

ジョセフ「これはなんだね?」

ジョセフは書類を手に取り内容に目を通した。

フィアナ「これはクルトが今回、城に特許を取りにいったはずの召喚魔法です。」

メイアは心配そうにジョセフを見つめていた。

ジョセフ「これは凄い、うちの息子がこのようなものを作っていたというのか、だが、時には人は凄い物を見ると欲が出てくるもの、何か不穏な事に巻き込まれていなければいいが・・」

ますます、メイアは心配気な顔をした。

ジョセフ「フィアナちゃん、この召喚魔法という魔法はフィアナちゃん自身は全て契約は済んだのかい?」

ジョセフはフィアナに問いかけたそのときであった。


   コンッ!!

   コンッ!!


玄関をノックする音がした。

ジョセフ「誰かが来たみたいだな、メイア見てきておくれ。」

メイアはジョセフにそう言われると、玄関の方へと向かっていった。

メイア「どちら様でしょうか?」

メイアは玄関へ声をかけた。

声「すいません、おたくの息子さんが大変なんです、あけてください!!」

メイアはあせった。

ジョセフも玄関の方へとやってきた。

ジョセフ「どうした?」

メイア「あなた、クルトが大変らしいのよ。」

ジョセフ「何!!?」

ジョセフは玄関をあけた。

するとそこには兵士が数人いた。

兵士「ジョセフ・クラヴァナス、並びにメイア・クラヴァナス!!君たちを反逆罪の疑いで連行する。」

二人は兵士に取り押さえられ馬車にのせられた。

ジョセフ「なっ何でだ!?」

メイア「ああ!?」

抵抗する事もできない。

兵士「中にまだ誰かいるぞ!!反逆者と共にいる事も重罪だ!!捕まえろ!!」

兵士が部屋の奥にいたフィアナも捕まえたのであった。

フィアナ「なっ何なの!?」

意味がわからない状況であった。

兵士は3人を縛って身動きが取れないようにして口には布を詰め込んだ。

兵士の一人の口が動いた。

兵士「ん?この女は魔法大会の優勝者フィアナ・フロレンスじゃないか、どうりで何処かで見たことある女だと思った訳だ、今回は運が悪かったなぁ。」

兵士は他の兵士に向かって指示を言った。

兵士「証拠を残すなとの命が出ておる、この女の家にも使者を出しておけ!!」

その言葉の意味する事はフィアナにはわかっていなかった。

馬車の側に馬に跨る兵士へ命令がくだる。

数人の兵士がその場から姿を消したのであった。

そして、3人は城へと連行されていったのであった。






城の地下。

血生臭い異臭が漂い。

日の光が入る事も無い空間。

壁の至る所には、苔のようなものが繁殖している。

そして、壁や地面はぬめぬめと湿気っている。

そして、そこには様々な拷器具がたくさん置かれている。

そう、ここは地下拷問室。

背の低い小男がテーブルに向かい何かをカチャカチャと触っていた。

小男「うひひひ。。これにしようかなぁ?。。うひひぃ。。」

どうやら、小男はどの拷問器具を使うか選んでいるようだ。

その小男を背に一人の少年が鎖で吊り下げられていた。

クルト「・・・・」

クルトである。

どうやら、クルトは気を失っているようだ。

ちょうどそのとき、地下拷問室の右端にある階段の上の方から誰かが降りてくる音がした。


カシャカシャ

ザッザッザッ

兵士「え〜い、早く降りろ!!」


どうやら、兵士が誰かを拷問室へと連れてきたようだった。

兵士は男一人と女二人を連れて小男の前に来た。

兵士「おい、こやつらも縛り吊るせ!!」

小男が不気味な顔をしながら兵士を見て嬉しそうな顔をしていた。

兵士「(こいつ!!いつ見ても気持ち悪い奴だ。)すぐにグラバル卿も降りてこられる。それでは、後は任せた。」

兵士はそう言い残すと階段を再び上がっていった。

兵士の連れてきた者達の所へ小男は近寄っていった。

3人とも縛られているので身動きできない。

彼等はジョセフ、メイア、フィアナの3人であった。

小男は彼等を吊るすと口に押し込まれていた布を取り除いた。

ジョセフ「・・うっ、ブファ・・」

メイア「・・うっ、あぐ・・」

フィアナ「・・うっ、あっ、クルトっ!!」

フィアナのその一声により、メイアとジョセフが前を見た。

ジョセフ「くっクルト!!」

メイア「クルトぉ・・」

クルトの姿を見て唖然としている。

小男がクルトに水をぶっかけた。


バシャァ

クルト「うっ、くぁ!!」

クルトは3人を見つめた。

クルト「なっ何故・・?・・」

誰かが階段を下りてきた。

側近と国王であった。

国王「グラバル卿よ、例の物は用意させておるか?」

側近「はっ、用意させております。(ニヤリ」

グラバル卿とは側近の名前であった。

他にもまだ階段から降りてくる人影があった。

兵士であった。

そして、その兵士は大きな袋を持っていた。

グラバル卿「クルト君、早く吐かないと君の家族達がこのようになるよ。(ニヤリ」

グラバル卿は兵士に指で合図を送った。

兵士は袋を逆さにした。

すると、中から二つ、大きな物体がゴロゴロっとこぼれ出たのであった。

そして、その物体は転がり落ちてフィアナの方向に向いた。

フィアナ「・・ぃ・・ぃ・・ぃいっやぁーーーーーーーっ!!」

その転がった物体は何なのか。

フィアナ「ひぃーーひぃーー父さん・・ひぃーーー・・母さん・・ぃいやぁいやいやぁーーー・・」

フィアナは気絶した。

地面に落ちている二つの物体、血が滲み、髪の毛、顔、首?

どうやら、それは生首であった。

そう、フィアナの両親の物言わぬ生首であった。

クルトも絶句していた。

国王「まだ、これでも吐かぬのかね?クルト君。」

国王はそう言うと、グラバル卿に目で合図をした。

グラバル卿は小男に指で合図をした。

小男「うひひぃ。。」

小男は拷問用の剣をジョセフの首にあてて、すっと引いた。

ジョセフ「えっ・・?」

ゴロン・・

ブシューー・・

一瞬の出来事であった。

地面に何かが落ちた。

ジョセフの首であった。

メイアはそれを見ていた。

メイア「あっ・・・・!!」

あまりにも一瞬の出来事、メイアの口が開いたまま言葉が出ない。

クルト「とーうさーーーん!!」

メイア「あなたーーーーぁっ!!」

辺りには、ジョセフから飛散する血で一杯である。

クルトの顔にその血がピトッ、ピトッっとかかった。

メイア「あなた、明日は何を食べたいのですかぁ?うひひ・・あははは」

メイアは気が狂ってしまった。

クルト「父さん・・父さん・・父さん・・何故・・何故・・」

クルトはブツブツと小言で呟いている。

国王「まだ、吐かぬかぁ!?」

国王は小男の剣を奪いメイアに刺した。

メイア「うひっ・・」

即死であった。

クルト「母さん!!・・・」

クルトは驚愕した。

両親を目の前で惨殺された少年。

普通の意識ではいられない。

グラバル卿「まだ吐きそうも無いですねぇ、陛下、この小娘も始末しましょうか?」

国王「そうだな、恋人を殺せば吐くであろう、だが、気絶したまま殺してもつまらぬ、おこせ。」

小男がフィアナに水をぶっかけた。


バシャァ

フィアナ「うっ、あふっ、けほっけほっごほっ・・」

気絶より覚めたフィアナはクルトの両親の方を見た。

そこには無残に殺害された二人の死体が吊り下がっている。

フィアナはクルトの方を見た。

フィアナ「クルト・・」

フィアナの目から涙がポロリと落ちた。

クルトは目を閉じた。

クルトの背中から闇のような魔力のオーラが微量に出てきた。

クルト「うう・・」

フィアナ「クルトぉ?・・」

国王「どうした?、恋人だけは殺されたく無いのかぁ?」

クルト「まっまってくれぇ、話す。」

クルトは目を閉じたままである。

グラバル卿「最初からそのように申しておれば、彼女の両親も、お前の両親も死なずに済んだものを。」

国王「まぁ良い。話せば良いのだぁ。」

クルトの口から小声でフィアナに言った。

クルト「フィアナ・・許してくれ。。だが、俺も一緒に行く・・だから許してくれ。・・」

フィアナはクルトが何を言っているのかよくわからなかった。

クルト「それでは、まず、これから話そう。」

国王「はよ話せぃ。(ニヤリ」

グラバル卿「(ニヤリ)」

小男「にたにたにたぁ・・」

クルトの背中からは凄まじく闇のオーラが噴出していた。

グラバル卿「(なんだ、あの影のようなものは?)」

常人では魔力を感知する事はできなかった。

だが、その魔力にフィアナは気付いていた。

クルト「地の底に・・・・眠りし魔獣よ・・・」

国王「ん?」

クルト「契約に従い・・・我が呼び声に・・・応えよ・・・。」

小男「なんらぁ・・?」

クルト「汝は・・・冥府の・・・門・・・」

グラバル卿「何ぃ?」

クルト「汝は・・・全てを・・・飲み込む・・・果て無き沼・・・」

フィアナ「・・(このような呪文は初めてだは・・召喚魔法?)」

国王「何を言っている?早く話すんだぁ!!」

クルトの口は止まらない。

グラバル卿「えぇぇぃい!!早く話さぬと小娘を殺すぞぉ!!」

クルト「今こそ・・・汝の持つ・・・門を開き・・・」

フィアナ「クルト・・」

クルト「全ての・・・もの・・・を喰らい・・・尽くせ・・」

国王「何を言っているのだぁ?」

どうやら、本編で愚者皇が使っていた、下位の召喚魔法のようである。

だが、何かが違う。

呪文を唱え終わるとクルトの体より出ていた闇オーラが城の上へと上がっていき。

そして国中に広がったのであった。

その範囲は物凄い速さで闇は広がっていき、そして、とうとう近隣諸国までにも及んでいたのであった。

闇の広がりし最端の部分より大きな闇の口が開いていた。

かなり巨大な口である。

愚者皇の使ったアビスイーターとは比べものにならないほどに巨大な口。

そして、それは一つではなかった。

一つ

二つ

三つ?

四つ?

五つ?

六つ?

数え切れない程に口が現れて近隣諸国を含む街並みをくちゃくちゃと食べているではないか。

さすがにまだ城の外の出来事である。

国王もグラバル卿も気付いていない。

数秒かからない内に近隣諸国のアルバマ共和国とクレセント大国はその闇の口により消滅した。

そしてギルビア魔法王国は城の四方数Kmを残して消滅していた。

国王「外の様子が何故か気になるな?」

グラバル卿「陛下、大丈夫ですよ。」

その瞬間、国王とグラバル卿が闇に消えた。

闇の口に食べられてしまったのであった。

城は半分が消えていた、そして、城周辺もほぼ消滅状態であり、学校の校庭は一部残すだけとなっている。

国王達を飲み込んだ闇の口がどうやらフィアナの吊るされていた鎖をちぎっていたようだった。

それは、偶然であった。

クルトは下を向いている。

クルト「・・・」

フィアナ「・・・」

クェン?

何故かクェンがそこにいた。

どうやら、学校がアビスイーターに飲まれる際にはしにくくられていたクェンの縄を切ったようだった。

そして、クルトとフィアナの匂いを追って城へ飛んできたようだった。

幸い、城は半分が消滅していたので、地下拷問室も地上から丸見え状態となっていた。

クルト「行け。。お前は自由だ。。クェン。。」

フィアナ「クルト。。一緒に行くわよ。。」

フィアナがクルトの鎖を外そうとするが、頑丈な鎖なのでフィアナの力でははずれない。

クルト「もう、時間が無い。。クェン。。フィアナを頼む。。ガクッ」

クルトは気を失った。

クェンはクルトの言う事を理解したようであった。

クェンがフィアナの方へ近寄ると、頭でフィアナのお腹に。

ドスッ!!

一撃を食らわした。

フィアナ「うっ・・クェン?・・・(気絶)」

クェン?クェン♪

クェンはフィアナを背に乗せると大空高く飛び上がったのであった。

そして、遥か上空より、城の方向をクェンは見つめた。

大きな闇の口が、最後に残されていた、クルトのいてる城を含む場所をバックリと一口でのみこんだのであった。






あれから、数日の日にちが経っていた。

一夜にして。

アルバマ共和国。

クレセント大国。

ギルビア魔法王国。

3国は消えた。

そこには何も残っていない。

ただ、何も無い場所となっていた。

寂しく風が吹き荒れていた。

一人の少女が立っている。

足元に一輪の草花をそえていた。

その横にはおかしな生き物もいた。

クェン?

クェンとフィアナであった。

フィアナ「クルト・・さようなら・・」

そして、フィアナはクェンに跨ると空の彼方へと消えていった。




-To =四魔帝外伝=《神に仕えし者の章・始まりの序曲I目覚め》-

RELAY.CGI V1.0r4