作:邪神王ウロボロス
大勢の観客、沢山の声援、そこは試合場である。
ウォー!ウォー!ウォー!
ウォー!ウォー!ウォー!ウォー!
ウォー!ウォー!ウォー!ウォー!ウォー!
二人は、試合場に対峙していた、しかし、まさか初戦で二人が対戦相手になるとは予想にもしていなかった。
クルト「・・・(どうしようか、まさかフィアナと初戦で当たるとは・・)」
クルトはフィアナと対峙しつつ目があった。
すかさず、ニコッと苦笑いを浮かべると、フィアナもまたニコッと苦笑いを浮かべていた。
フィアナ「・・(どうしよう・・)」
お互い、棒立ち状態であった。
だが、大会はその状況など無視して無情にも試合は開始される。
審判「さぁ、両者向き合って、始めっ!!」
観客席ではその状況などまったく関係無く、大勢の観客達が声援を送っている。
ウォー!ウォー!ウォー!
ウォー!ウォー!ウォー!ウォー!
ウォー!ウォー!ウォー!ウォー!ウォー!
両者は身構えた。
しかし、どうすればよいのか判断がつかない。
クルト「・・(この試合は勝たなければいけないんだ、フィアナごめんよ)」
クルトは呪文を軽く唱えてみる。
クルト「・・炎の精霊よ・・」
フィアナはクルトが呪文の詠唱を開始した事に少し動揺している。
フィアナ「えっ・・あっ・・(どうしよ・・えっ・・えっ・・あたしも唱えなくちゃ・・でも・・あっ・・)」
魔法戦、それはいかに素早く呪文を唱え終えるかによって勝負が決まってしまう事が多い。
あくまでもこれは大会、試合である。
躊躇した方が負けだ。
フィアナも呪文の詠唱を開始した。
フィアナ「・・凍晶の精霊よ・・ぶつぶつ・」
両者の唱える魔法の詠唱を聞いて、他の選手達が動揺しはじめている。
選手1「・・あっ・あれは、どっちもかなりの上級魔法じゃねぇかぁ・・あんな奴らと当たりたくねぇ・・」
選手2「まじかよ!、これじゃぁ、早く詠唱が終わった方が確実に瀕死になってしまうぞ!!」
試合場では両者の詠唱は続いている。
クルト「・・ぶつぶつ・・・」
フィアナ「・・ぶつぶつ・・・」
両者がいつ唱え終えるのかと会場では緊迫した空気が流れていた。
そして、その時はとうとうやってきた。
クルト「フィア・フレア!!」
フィアナ「アイス・ブリザード!!」
互いの発した声とともに魔法は発動した。
クルトの正面には巨大な炎が巻き上がり、フィアナの方向へと炎は突き進んでいく。
フィアナの正面には凍気が現れていた。
その魔法の性質を熟知している者からすればどちらの勝利かは明確に判断していたはずであった。
クルトの発した炎はフィアナの直前で停止した。
何がおきたのか。
フィアナがクルトの方向を見てニコッとした。
フィアナ「ご・め・ん・ね・♪(笑顔)」
その時、炎に不自然な現象がおきていた。
クルト「あっ・・(しまった、ただの凍結魔法じゃない!?)」
炎が徐々に凍り始めたのであった。
炎は完全に静止したまま凍って固まり、その表面を覆うように氷ができていた。
クルト「・・(誤算だ)」
凍り始めているのは炎だけではなかった、そのまま、その炎を発したクルトの側まで凍り始めていた。
クルトの腕が凍り始めたと思うと、そのまま、クルト自身が凍ってしまい、審判の持つ計器にはクルトのLPが0になっている事が確認できた。
審判「勝負あり、勝者、フィアナ・フロレンス!!」
フィアナは凍結したクルトを見てみる。
フィアナ「・・プッ・・(笑)」
クルトのまぬけな顔で凍結している姿を見てフィアナは笑いをこらえていたが、少しもれてしまった。
そして、審判がクルトの凍結を解除した。
クルト「・・・・あっ・・ハァハァ・・寒い・・」
ブルブル、ブルブル
クルトは震えている。
それを見てフィアナはまたこらえていた笑いが我慢できないくらいになっていた。
フィアナ「・・ププッ・・(笑)、アハハハハハ、フフフフ(大笑)」
クルト「・・ムッ・・ヒックシュン!!」
クルトはくしゃみをした。
そして、数日経過して、大会も無事に終わり、街中が大魔法祭で盛り上がっていた。
クルトは盛り上がる街中をクェンを連れて見てまわっていた。
クルト「はぁあ・・(溜息)」
街中では皆、酒を飲んだり騒いだりとそれはそれは凄い賑わいである。
クルトがちょうど、街の中央部にある広場へ着くと、そこには人だかりができていた。
どうやら、大会優勝者がいてるようだ。
そして、その人だかりを縫って中から一人の女の子がクルトに手を振っていた。
クルト「フィアナ?」
手を振っているのはフィアナであった。
フィアナ「クルト〜!こっちよぉ〜!」
クルトはフィアナの側に駆け寄っていった。
クルト「優勝おめでとう」
そう、魔法大会の優勝者はフィアナであった。
フィアナ「ごめんね、あれだけ優勝目指してたのに勝っちゃって。」
クルト「君の実力なんだから仕方ないさ、あの後の試合で、負けてたら許さなかったけどね(笑)」
フィアナは少し気を使ってはいたが、クルトの笑顔を見てホッとした様子であった。
クルトは、その様子をうかがって、クルト自身も安心したのであった。
クルト「君があんなに影で努力していた事には驚かされてばかりだったよ。」
フィアナ「てへっ(照)」
フィアナは誉められて照れた。
クルト「まぁ、僕には召喚魔法というものがあるので、優勝しなくてもなんとかなるさ(笑)」
フィアナ「そうね(笑)、まぁ今日は未成年でもお酒が許される日なんだから一緒に飲みましょう♪(笑顔)」
フィアナはそう言うとクルトの手にお酒の入ったコップを渡した。
クルト「いっいや、僕は飲めないよぉ・・」
フィアナは問答無用とばかりに無理やり飲ませたのであった。
クェン「クェ?」
クルト「はへはへふぅ・・いい気持ち・・」
フィアナは酔ったクルトを見て笑いが我慢できないくらいまで達した。
フィアナ「・・ププッ・・(笑)」
クェン「クェ?」
クェンはきょろきょろとしている。
だが、クルトの目とクェンの目があってしまった。
クェン「クェクェェン?」
クルトがクェンの首に手をやった。
クルト「ふぅふふ・・お前ものべ・・のべよぉ」
のべ?恐らく、飲めと言っているのであろぅ。
クェン「クェーーーー!!」
クェンは抵抗するもむなしくクルトにより、無理やり飲まされてしまった。
クェン「・・クェ・・ククェ・・」
クェンはフラフラァフラフラァとよろけている。
そして、その日は一晩中、街中は大騒ぎの夜が過ぎていった。