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第74話:血塗られた人形劇

作:みゃあ♪さん


-From 73-
ゆっくりと日が沈み、辺りが闇に包まれてくる。
ここクルセイ村でもそれは例外ではなく
村全体を夜の静寂が包みこんでいた。
静かな夜だった。いや、静か過ぎる夜だった。
ここはあまり大きい村ではない。
したがって外の音が聞こえないということはあるかもしれない。
しかし、ここは富豪の息子、アリアの家なのだ。
使用人も何人かいる。
だが、足音一つ聞こえないのだ。
さらに、先ほどまでこれからの事を話し合っていたアリアも
少し席を立つことを告げたきり戻ってきていなかった。
みゃあ♪は何か違和感を感じた。彼女の本能が危険を知らせていた。
ラグーンの顔を見ると彼もまた何か感じる所があるらしく、
2人無言の時を過ごした。
しばらくするとふと聞こえてくる奇声、奇声と共に聞こえてくる旋律、
しだいに辺りは青黒い霧に包まれていった。
「アッハッハッハ、これから想いを寄せる者が憎しみあい、殺しあう楽しい劇が始まるよ。僕を怒らした罰さ。せいぜいステキに鳴いてくれたまえ。」
「アマツキ!?」
ラグーンがそう叫ぶと同時にドアが破られアリアとニルスが入ってきた。
2人とも目が普通では無い、どこか正気を失っているようだ。
2人の後ろではここの使用人達が手に手にナイフや包丁を持ち待ち構えていた。
「ラグーンさん!こっち!」
みゃあ♪は反対側にある窓を開きラグーンに呼びかけた
「しかし、ニルスが・・・」
「今は逃げることが先決です!」
そう言うとみゃあ♪はラグーンを引きずるようにして窓まで連れて行き飛び降りた。
しかし、館はすでに村人達によって包囲されていた。
みなアリアとニルスと同じ、どこか正気を失った目をしたまま2人に襲い掛かってきた。
「くっ」咄嗟にラグーンは桜卍刀を構える。が、
「ダメ!この人達は操られてるだけです!斬ってはいけません!」
「しかし!」
村人達はアマツキにより脳のリミッターがはずされ、
通常では考えられない動きで襲い掛かってくる。
「こっちです!」
みゃあ♪とラグーンは村人の攻撃を避け、村の中央へと移動していった。
が、「囲まれたか」ラグーンはゆっくりと桜卍刀を構えた。
四方八方正気を失った村人で埋め尽くされていた。
どうやら最初からここへ誘導するのが目的だったようだ。
「アッハッハッハ、囲まれましたね。さあ、本日の劇もいよいよクライマックスですよ。観客も大勢いますしステキな踊りを披露してもらいましょう。」
アマツキの声と共に2人の男が現れた。
アリアとニルスだ。
「さあ!お互いを想い合う者達のステキな踊りの始まりだ。題名はなににしましょう。そうですね・・・「混沌」」

-To 叶わぬ想い、埋もれし幻想 上-

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