作:最上さん
水無月島計画・・・
そう呼ばれたドルフ帝国の大規模の島開発計画・・・
資源と制海権、制空権を手に入れ、軍備の増強や都市部の過密人口対策として
ドルフ帝国議会で初の全員賛成での計画である・・・
総国力を持ってすれば3ヶ月という短時間で出来るとの予想もあり、
軍部だけではなく、国民にも期待された計画であった・・・
だが、その計画は・・・・・・
その計画は、終了を見せようとした矢先に・・・消えた
いや、消えたのではない強制的に中止に・・・というよりも中止にするざるを得ない状況になった・・・
話は、数週間前に戻る・・・
水無月島の建造が始まって、すでに1ヶ月・・・
すでに島の5分の4の埋め立てが終わり、軍事施設や公共施設の建造に取り掛かり始めていたそんなときのことである・・・
「この島が完成すれば、今ある問題のほとんどが解決し、後の見本となりそうですね・・・」
そういったのは開発局のロンメルだった・・・
今回の計画を聞いたときは誰もが目を丸くした、そして次々にこういった・・・
「本当にこんなことが出来るのか!?」と・・・
ドルフ帝国は確かに数年前出来たばかりの新興国家である・・・
だが、その土地に残る古代技術を取り込み、帝国が新たに開発した技術もある・・・
その技術ですでに周りの近隣諸国を飲み込み、いまやこのいったいでも大きな支配力を得ろうとしている・・・
それ故に敵も増えた・・・
敵が増えてもなお、健在するのはもうすでに限界を超えているからかもしれない・・・
それでもドルフ帝国は強くなるのを・・・力をつけるのを止めない・・・
またいつ戻ってくるか予想の出来ない平和が来るまでひたすら強くなるしかない・・・
それがこの「世界」での唯一の「掟」であり、「定め」なのだろう・・・
それはこの「世界」に生きる彼らにも共通することなのだろうか自ずと彼らもまたひたすら力を付けて行く・・・
だが今は「世界」よりも目先にある確実な安泰のほうが優先されるだろう・・・
話を戻そう・・・
ドルフ帝国の科学技術は限界を超えたものになろうとしている、
島を作る・・・いや、改造するなんてのは簡単に出来ることだったのだろう・・・
今もドルフ帝国は帝国主義にのっとり軍備を増強しつつ、土地開発を進めている・・・
そのためか開発したところには必ず何かしらの軍事施設が出来上がる・・・
要塞、航空基地、陸軍基地、補給拠点、区画指令所・・・
こんなに軍国色が強いのもまた、この混沌とした戦乱の時代ならではの光景なのだろう・・・
そして、とうとう水無月島・・・ドルフ帝国の南東進出の要である海上要塞が完成した・・・
すぐに軍部の兵器製作と資源採取が始まった・・・
レーダーや観測所も活動を開始し、要塞として水無月島が稼働しだす・・・
このときは皆が活気にあふれていた・・・
誰もが大きな期待に胸を躍らせ、はしゃぎ、祝った
だが、この混沌の戦乱の時代に、そんな平和は存在しない、いや存在できない・・・
この2日後、その歓喜は一瞬で悲鳴と断絶魔が鳴り響く戦慄と絶望へと変貌する・・・