作:最上さん
水無月島完成2日後
軍人3万人、民間人1万3000人が移住を開始し、生産業、採掘等がある程度好調を見せ始めた・・・
その時だった・・・
軍の観測レーダー、索敵レーダーにたくさんの機影が映った・・・
今世界で航空機を操る国はドルフ帝国といくつかの国しかない・・・
しかもドルフ以外の国には航空機は数えるほどしかない・・・
だが、レーダーに映るのは数千、いや数万の機影・・・
最初は誰もがレーダーの故障だと思った・・・だが・・・
次の瞬間、最悪の予想が現実のものとなる―
「ドガァァァァン」―
一瞬誰もが何が起こったかわからなかった・・・
そして次の瞬間―
「敵襲!!敵襲!!」
誰かが大声で叫んだ・・・
そして次の瞬間また
「ドガァァァァン」
また・・・爆発音が響く・・・
その時その場に居た最上が叫んだ
「どうなっているんだ!!?」
そのとき観測員が悲痛な声でこう言った・・・
「て、敵・・・闇の軍勢の空軍が攻め込んできました!!」
その場の空気が一瞬にて、凍りついた・・・
その時から歓喜は一瞬で絶望に変わった・・・
「迎撃する!!全員緊急戦闘配置!!第一種戦闘配備だ!!」
最上が大声で叫んだ・・・
その時、港のある市街地は・・・
混乱の真っ只中だった・・・ただ闇雲に逃げまとう人々、
響き渡る絶叫、悲鳴・・・
子供が親を探す声が聞こえる・・・誰かの鳴き声が聞こえる・・・
燃え盛る建物、無残に横たわるビル・・・
時間はすでに夕方・・・
―赤い夕日に照らされたその水無月島に
宵闇の空襲警報が鳴り響いた―
空をにらみつける高射砲、対空砲・・・緊急配備で戸惑う兵士達・・・
フル回転で戦闘機が出されてゆく飛行場・・・
次に聞こえてくるのは誰かの叫び声、悲鳴、絶叫、断末魔・・・
その間に響き渡る爆音、
それらは一つの旋律にただ絶望の音楽を奏でてゆく・・・
攻め込んできたのは闇の軍勢の航空部隊・・・
だが相手が乗っているのは飛行機ではない・・・
―龍―つまりドラゴンだ、小回りも、滞空も出来る、
遠距離なら戦闘機ほどの攻撃力こそ無いが、近距離なら高熱の火を吐かられる
そしてその上には闇の軍勢の魔術師が乗っている・・・
火、雷、水・・・ありとあらゆる攻撃魔法が飛んでくる・・・
―この光景をみた誰かがこういった―
「魔法対科学技術か・・・」
だが、現実はそんなに甘いものではないだろう・・・
数が違いすぎる、相手は数万のドラゴンと魔術師・・・
それに対してドルフ帝国は島にある対空砲塔20、高射砲30、
戦闘機300・・・それと100台程度の対空戦車と地対空ミサイル戦闘車両くらいである・・・
対空砲塔に装備されている対空砲は20cm砲・・・
当たれば確実に打ち落とせる・・・
だが数が多い敵に潰される可能性も高い・・・
水無月島に居る軍人が総出撃・・・
本国からもどんどん援護が来る・・・
だが間に合わない・・・
最上が決断した・・・
「我々も・・・出るとする。」
軍の上層部も出撃すると言った・・・そして次に、
「新兵器を出す。運用テストと実戦闘同時進行だ。」
ドルフ軍の新兵器・・・今まで出てきたドルフ軍の兵器は対地攻撃専門であり、
対空兵器ではなかった・・・
今回の新兵器は、どんなものなのかはわからない、だが、そこにいた人々にはわずかだが希望が見えていた・・・
とうとう、このときが来た・・・
ドルフ帝国と闇の軍勢の正真正銘の全面戦争である・・・
絶対的な魔力を持つ邪神に失われた古代技術と新技術を組み合わせた独自に文化で挑もうとする若い国・・・
―混沌と戦慄の渦巻くこの世界でまた新たな戦いが始まる―