作:邪神王ウロボロス
旅を続ける3人。
3人は北アウジよりハイド皇国の国境ふもとまで来ていた。
クレイン「セレン様、あそこに見えるところはどうやらハイド皇国の国境のようです。」
京介「ふっ、2万年か、国は変われどたいして何も変わらぬようだな。」
クレイン「あなたには話しかけてません、黙っていてください。」
京介「・・・」
何故だかわからないがクレインは京介を嫌っていた。
セレン「おかしいですね、あそこからは人の気配が感じられませんわ。」
クレイン「たしかにそうですね。」
遠くに見える国境の門付近には人の気配がまったく無かった。
3人はその門まで近づいていった。
そして、門のそばに3人は到着したが、やはり誰もいなかった。
門はいたるところが壊れており、だいぶ以前に放棄されているようにもうかがえたのであった。
クレイン「うわっ!!なんだこりゃ・・・あああ・・ああ・・」
セレンはクレインのほうを見た。
セレン「何をしてるのですか、ちゃんと前を見て歩かないからですよ。」
クレインはくもの巣だらけになっていた・・・・
京介「ふっ」
京介はそれを見て、鼻で笑った。
クレイン「むっ!」
クレインはそれを見て少しムッとした。
京介「どうやら、ここは魔物にでも襲われたのかもしれんな。」
セレン「とにかく、先に進んでみましょう。」
2人は先へと歩いていった。
クレイン「あっ!待ってくださ〜ぃい・・」
その後をクレインは追いかけた。
3人は国境を越え、しばらく歩いていた。
京介の足が止まった。
京介「・・・・」
セレン「どうかしましたか?」
クレイン「セレン様、こんな奴かまうこたありません、置いてきましょう。」
京介「いや、何かなつかしい感じがする。」
セレンはクレインを無視して京介に話しかけた。
クレインはムッとした表情で黙り込んでいる。
セレン「ここは貴方のいた時代とはかなり違いますが、どのような感じなのでしょうか?」
京介「わからない、しかし、この先に何かありそうな予感がする。」
セレン「では、先を急ぎましょう、私もそれに興味がありますわ。」
一行は先を急いだのであった。
しばらく歩くと大きな神殿のようなものが遠くの方に見えてきた。
セレン「神殿?」
クレインが我が出番とばかしに語りだす。
クレイン「あそこは伝説の地、カリム神殿、遥か太古の昔に大聖者カリム様が建てられた神聖なる神殿、その神殿は不思議な力で幾万年経とうと朽ちる事が無いとされている伝説の場所であります。」
セレン「どうやら、あそこだけは無事なようですね。」
京介「大聖者カリム・・(そうか、名を教える約束だったな・・・)」
一行はそのまま神殿の前まで歩いた。
セレン「いったい、このハイド皇国の人たちは何処へ消えてしまったのでしょうか。」
クレインはあたりをきょろきょろと見回した。
クレイン「だ〜れもいませんねぇ・・」
京介「・・・(いや、誰かいる。)」
セレン「とりあえず、神殿の中へ入ってみましょう。」
クレイン「そうですねぇ」
一行は神殿内部の奥へと足を進めた。
神殿の天井は高く、天井には壁画が描かれている。
その壁画を眺めていると一つのストーリーになっている事が理解できた。
3つの塔、賢者、魔法使い、僧侶、吟遊詩人、細身の黒い鎧の戦士、大きな斧を持つ戦士、そして、その先の壁画は消えていた・・・
クレイン「あの黒い戦士、誰かに似ている。」
京介「・・・」
そして、一行は奥の祭壇の前に到着した。
そこには、女性の像があった。
京介「・・・(実際に会うまでもなく、時空へと飛ばされてしまったが・・・)」
クレイン「これは大聖者カリム様です。」
京介「いや、これは大賢者だ、そして、大聖者カリムとはさきほどの壁画に描かれていた僧侶がそうだ。」
クレインはムッとして言い返した。
クレイン「何を根拠に、何処にそのような証拠があるのですか?」
京介「あの細身の黒い戦士・・・あれは俺だ。」
セレン「・・・やはり・・」
クレイン「あっ・・・」
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祭壇の横のほうから曲がながれてきた。
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そこには老人がいた。
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老人は楽器を片手に曲を奏でている。
京介「・・(この感じ・・・)」
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老人の手が突然止まった。
老人「懐かしいのぉ・・黒布よぉ・・」
京介は鳥肌がたった。
ゾクゾク・・
京介「お前は・・!?」
老人「わしかぁ、おぬしになぁ、迷いを解いてあげてもらいたい奴がおってなぁ・・・おぬしが見えたのでなぁ、ここまで来たのじゃぁ・・」
京介「迷い?・・誰が迷っている?」
老人「この地より少しばかり東へ行くがよい・・・おぬし一人でなぁ・・・それはおぬしでしか解決できぬ事なのじゃよぉ・・おぬしの試練じゃぁ、・・そして・・・宿命じゃぁ・・・運命なのじゃぁ・・」
京介「そこへ一人で行けば、どうなると言うのだ?」
老人はニヤッっとした。。
老人「行けばわかる・・・」
京介「何があるのかは知らんが、行ってやる、それが定めならば、それでいいんだな?トロアよ。」
老人「・・・・」
老人の姿が薄れて消えていく。
京介「俺の名は京介だ、そっちで待っていろ、いつか俺も行く。」
老人「・・来なくて・・・いいわよ・・」(女言葉)
老人は消えていく寸前にかすかに笑顔になったようにみえた。
セレン「京介さん!」
横からセレンが京介に呼びかけた。
京介「はっ!?今、老人が、トロアが、・・えっ?」
セレン「何もいないわよ?、突然京介さんがぼーっとして動かなくなったので、どうしたのかと思いまして。」
京介「・・・・(幻でも見ていたのか夢なのか、あれは老いたトロア、そして、東・・)」
クレイン「ほっときましょう、そんな男は。」
京介は垣間見た幻の話を2人に話した。
クレイン「ちょうど良いですね、これも良い機会です、残念ですがここで別れましょう。(やれやれ、やっと、いなくなってくれますね、早く行っちまえ。邪魔なんですよ貴方は。)」
セレン「そうですね、傷のほうも大丈夫のようですので、一人で行っても大丈夫ですね、でも、私達はここで待ってます。」
京介「貴方達には大変恩を感じている、だが、ここで別れて、もう会えなくては恩を返す事もできない、急いでいなければ、そのように言ってもらえるとありがたい、でわ、必ずここへ戻って参りますので、ここで待っていてください。」
クレイン「セレン様ぁ・・・待つのですかぁ・・・」
セレン「でわ、お気をつけて行ってきてください。」
京介「ですが、もしも3日後に戻らぬ場合は、行ってください。」
セレン「貴方が戻る事を祈っています。」
クレイン「・・・(戻らないでください・・・)」
京介「では、行きます。」
京介は神殿の出口のほうへと歩きだした。
そして、京介の背中を眺めながら2人は見送っていた。