作:ラグーンさん
これは、まだサタンが闇の魔力を手に入れていなかったころ
ラグナロク発動よりさらに前・・・サタンが、魔獣を研究していた頃・・・
サタン:ふぅ・・・一休みするか
サタンは彼の家にいた。家といっても、研究道具と、真ん中に丸いイスがあるだけの小さな小屋である
此処でサタンは、魔獣の血、細胞などを魔獣の死体から採取し、新たな合成獣を作り上げようと考えていた
何よりも強い、世界最強の魔獣・・・
サタンは外に出た。ここは大きな森の中。他の神々には"魔獣の森"と呼ばれている場所である
此処は神々に見つけられず、大量の魔獣を調査するのにはうってつけの場所であった
サタン:ふぅ・・・外の空気は美味しいものだな・・・ん?
↓を見ると、みゃあ♪、という声がした
サタン:なんだ・・・猫か・・・
そこには黒い猫が居た。こんな暗い森に良く似合う、黒い猫であった
サタン:(しかし・・・こんな所に猫は寄り付かないはずじゃ・・・? 仕方がない、放って置くのも危ない。中へ入れるか・・・)
サタンは猫を抱え、小屋へ戻った・・・
その時サタンは珍しい魔獣を調べていた
サタン:ふぅむ・・・これはどうも堕天使だ・・・
堕天使、天界から落とされた者。赤子であったが、魔獣の森で年齢など関係ない、喰うか喰われるかのみ
喰われた死体と二つの大きな翼を、昨日サタンは小屋の前で発見した・・・
サタン:これを使えば、ものすごい物が作れそうな気がする・・・ふふふ・・・ははは!!!
サタンは怪しげに笑い始める。黒い猫は、静かにそれを見つめていた、まるで、全てを見透かしているかのように・・・
その美しい紅の目で・・・
―夜―
黒い猫:・・・ふふっ
サタンは寝ていた、寝てるといっても、丸い椅子に座り、冥想しているだけだ
瞑想中彼の思考はどっかへ行ってしまう為、此処で音を立てても彼には聞えない
黒い猫:こいつが目当ての男だな・・・まぁいい。俺の体は返してもらうとするか・・・
その黒い猫は、机にひょいと飛び乗り、堕天使の死体を眺める
黒い猫:派手に死んでくれたもんだな・・・翼しか形になってない・・・まぁ、危険はつきものって分けだ。こいつを見つけるにはそれしかなかったからな・・・
黒い猫は後ろの二本の足で立ち上がると、翼に触れ、呪文を唱え始めた
中々長い詠唱呪文だ。攻撃魔法に例えれば、範囲の広くさらに強力な強力範囲魔法並みの詠唱の長さだった
唱え終わると・・・
猫の背中から巨大な黒い翼が生えていた、そう、彼は翼を自分に取り込んだのだ
黒い猫:さて・・・サタン、お前が起きたとき、お前は地獄を見る・・・かもな・・・ふふ・・・
黒い猫は静かに笑い始めた・・・そして、小屋を静かに出た・・・
―朝―
サタンは目覚める・・・
サタン:・・・ん?
そこは凄まじい光景であった
そこにいつもの平和な家は無かった
小屋は燃え尽き、サタンが座っていた椅子は、辛うじて生き延びていた
森からは炎が上がり、魔獣は鳴いていた、いや、泣いていたのだろうか・・・
サタン:一体誰が・・・?
その時、天から黒い何かが降ってきた・・・いや、降りてきた・・・?
それは昨日の黒い猫だった
サタン:!!!
黒い猫:驚いているようだな、サタン・グレーフィールド
サタン:何故・・・私の名を知っている?
黒い猫:それは君が俺を作り上げたから・・・君があるから僕があった
サタンにはその意味がさっぱり分からなかった、が、黒い猫は全く気にしていないようである
黒い猫:お前には此処で死んでもらうんだぜ・・・ハ・デス!
黒い猫は気をランダムな位置に集中させる、それを、サタンのいる一点へ向け、解放
サタン:甘いっ!ダークネスオーラ!
サタンは異常なるオーラをその魔力によって形成し、全ての気を弾き返した
サタン:追撃のダークネスブラスター!
サタンの周辺を気弾が周り始める、そしてそれは、ランダムな方向へ解放された
一つの気弾が黒い猫の腹に直撃する、黒い猫はよろめいたが、隙は見せない
黒い猫:ダーククライシス!
闇の霧が辺りを包み込む。普通ならば眠りに落ちてしまう、が、サタンほどの物ならば、このような魔法は無意味であった
すると急に、サタンの目が蒼く光り始めた
何故だかは分からなかった、黒い猫に分かるはずもない・・・
サタン:お前は二つに分かれている・・・邪悪なる物と、聖なる物に・・・な
黒い猫:何を言っている?
黒い猫には意味が分からなかった
サタン:お前を二つに引き裂けば、全て解決だ・・・
黒い猫:(何を言っているんだ、こいつは・・・
するとサタンは突然、聞いたことも無い呪文を唱え始めた
黒い猫だって、戦闘経験は濃い方である、が、この手の呪文は聞いたことが無い
黒い猫:まさか・・・禁断の呪文・・・!?
サタンはクスッと笑った、そして言った
サタン:そうさ・・・自分の力を対象に与えてしまうことにより、禁断の呪文に指定された呪文だ
サタンは詠唱をすでに終えていた、そして彼の片腕を黒い猫に向け―――
サタン:闇と光、一つに混合したこの生物の魂を・・・
黒い猫:やめろ、いやだああああああああ
サタン:二つに引き裂け!永遠に!
黒い猫が苦しみだす
黒い猫:うわああああああああ!!!
黒い猫の体から漆黒の翼は切り離された
猫がだんだん白くなっていく、大きくなっていく
翼から人の体が生えてきた。その様子は翼を持った人間?
猫は人間になった、しかし、手と耳、尻尾は取れはしなかった
翼は堕天使になった。腹に逆十字のマークが入っている、あまりにも邪悪なオーラを出していた
サタン:お前達を遠い遠い二つの場所に送ろう、もちろん、未来のな お前らがもう一度会うことは、絶対になぃだろう・・・
サタンはそういうと、猫人間の下に、堕天使の下に、時空の穴をこじ開けた
彼らは成すすべも無く、ただ落ちていった・・・・・
猫人間は・・・
小さな村に落ちた
まだ言葉も、何も喋れなかったのに・・・姿は小さな赤子だった
一人の叔母さんが通りかかる
叔母さん:まぁ、どうしたの?可愛そうに・・・棄てられたのね・・・あなた、お名前は?まぁ、赤ん坊に聞いても分からないだろうけど・・・
もちろん分かるはずもない、ただ叔母さんが喋ってたのは分かった、だから猫人間はいつも鳴くように、こう言った
猫人間:みゃあ♪
叔母さんは驚いて
叔母さん:まぁ・・・猫みたい(笑) でも、彼女自身が言うんだからいいわ、あなたの名前は、みゃあ♪
堕天使は・・・
暗い森の中に落ちていた
言葉は喋れる、姿は黒い翼の生えた天使(?)である
そこに一人の奇人が通りかかった
???:ほぉ、こんな所にこんなもの珍しいな、お前、名はなんという?
堕天使には言葉が理解できるし、喋ることも出来た。堕天使はこういった・・・
堕天使:ワタシ・・・ナマエワカラナイ・・・
???:ロボティックな喋り方をする奴だな、まぁいい、俺の名前は小杉、科学者だ
堕天使:カガクシャ・・・?ソレ、イイヒト・・・?
???:ああ、人を作品に仕上げるめんではな・・・(怪笑
堕天使:ワカッタ・・・ナラツイテイク・・・デモ
???:どうした?
堕天使:ワタシ・・・ナマエホシイ・・・
???:そうかそうか、それじゃあな・・・
???は近くにあった黒い木を指差した
???:この木の名前はラグナっていうんだ、だから、お前の名は、ラグナだ
ラグナ:ボクハ・・・ラグナ・・・
???:ああ、そして俺の名は、小杉だ
ラグナ:ワタシ・・・ラグナ・・・アナタ・・・コスギ・・・
小杉:そうだ、さぁ、俺の家に来い。暖かいものでも食わせてやる
ラグナ:わかった・・・
ラグナがいたのはヤマトにある小さな森であった
小杉はそのうち、ロボットなどの研究でマッドサイエンティストと呼ばれ、国を追放され、失われた魔法科学の国を求め旅に出る
そして彼は、見つけた国で魔帝ゼラヒムに襲われ、ラグナに裏切られ、死ぬ・・・
まぁこのことを・・・小杉が今、知るはずは無い・・・