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第109話:それぞれの時〜2章〜

作:邪神王ウロボロス


-From 108-



コルトは空を飛んでいた。

大きく翼を広げて力強く大空を飛んでいた。

以前の身体では考えられない程に空を自由自在に飛んでいた。

コルト「・・・・心地良い・・・」

そして、コルトはよく知っている馴染みの深い力を感じた。

その感じた力の方角へと滑空していった。

コルト「・・このままの姿で行けば、あまりに不自然ですね。手前で降りて、以前の姿に変身して参りましょうか。」

コルトはしばらく飛んでいると遺跡が見えてきた。

その手前のあたりでフワッと着地していた。

コルト「この辺りから、歩いて参りましょうか」

コルトの翼の色はみるみるうちに以前と同じ色になっていた。

翼の大きさも以前のものと同じ大きさになっている。

そして、髪色も、目の色も以前のようになっていた。

ただ、違うといえば、肌の艶が良い。

健康そのものであった。

だが、誰が見ても、以前のコルトにしか見えなかった。

誰がいちいち肌の艶まで見ているであろうか。

そこまで四六時中見られている訳ではなかった。

なので、肌の艶が良い事など、どうでも良い事であった。

コルト「・・・・ごにょごにょ・・」

軽く、以前は知らなかった呪文を唱えた。

鎧と剣がみるみると以前所有していた双剣に変化していた。

だが、一本しか無い。

以前との違いは、肌の艶、そして、双剣が一本である、それくらいであった。

そのような細かい部分に気付く者はいないであろう。

そして、コルトは遺跡へとゆっくりと歩いて、ラグナ達のもとへと向っていった。

以前ならば、小鳥に変身して、飛んで向っていたであろう。

だが、そのような小細工までする必要性は無いのであった。

しばらく歩いていると、入り口のような所が見えてきた。

コルトはだいぶ遠方の時点で、気配を完全に消していたので、気付かれた様子は一切うかがえなかった。

コルト「・・・・(さて、皆さんはどのような顔をするでしょうかね?)(ニヤリ」

軽く、微笑みをした。

そして、入り口の前に到着していた。

コルトは扉を開けたのであった。

そこには、サタン達がいた。

いつもとなんら変わる事は無い光景であった。

コルト「ただいま偵察より戻りました。」

コルトはいとも普通に言ったのであった。

サタン「おお、よくぞ戻った。」

他の者もいつもどおりのコルトを見て、普通であった。

サタンはコルトに偵察の報告を聞いた。

サタン「コルト、外の様子はどうであった?」

コルトは普通に、偵察の報告を始めた。

コルト「はい、サタン様、外の様子はとても酷いありさまでありました。邪神王の直属の魔帝が世界をそれぞれ支配しております。その実力はどれもとてつもなく強大であります。」

コルトの報告にサタン達は耳を傾け真剣に聞いていた。

コルト「世界は混沌としております。荒廃した大地には魔物達が徘徊しております。」

サタンはコルトの報告を途中で止めた。

サタン「コルト、もう良い、御苦労であった。」

コルトは黙ってから、少し離れた。

コルトは一人づつ詮索していた。

そばのテーブルには女が椅子に座っている。

髪は金髪、髪に花が挿してある。

目は清んだ綺麗なグリーン、宝石のように美しい。

肌も綺麗である。

容姿は薄い特殊鉱でこしらえられた程度のもので、胸の辺りと腰骨から股間を覆う程度であり、肩からは軽く改造されたローブがかけられた感じであった。

腹の腹筋はわれており、美しくもくびれている、女戦士であった。

そして、どことなく影を感じさせながら座っている。

コルト「・・・・(ナターシャ・・)」

そして、ナターシャの座るテーブルの向かい側に座っている異質な男がいた。

その男は巨大な片手剣を磨いているようであった。

頭には大きな鹿の角のような角が生えている。

そして、髪は短めであり、少し茶色っぽい感じである。

身体の右半身を覆うプレート、そして、顔の半分も黒い仮面のようなもので覆われていた。

その仮面に覆われた顔の右目は妖しくほんのりと光っている。

そのほのかな輝きの周囲には漆黒の闇が広がっていた。

一方、左半身はというと、レザーで作られた少し黒光りするレザースーツであった。

コルト「・・・・(ヘルグ・・・)」

そして、コルトの左側の壁の辺りにある大きな穴。

その穴からは外が見晴らせる窓のような役割をしていた。

その大穴のすみに背をもたれて外を眺めている男。

漆黒の鎧に身を包み、その鎧には黒い羽が至る所についていた、そして、首から上には防具は無いようだ。

髪は黒く、目は黒く、肌は色白っぽくほのかに肌色である。

一見、鎧を脱がせればヤマトの民を思わせるような容姿である。

腰元の壁には大きなブーメランが立てかけてある。

コルト「・・・・(タテノ・・・)」

その隣には怪力自慢そうな血気盛んな男が壁にもたれていた。

容姿は軽装である。

布で右肩より腰にかけて身体を覆った程度であった。

頭には灰色の羽のついたカーボウイハットをかぶっている。

右手にはとてつもなく巨大な棍棒を持っている。

棍棒は地面についている。

その棍棒は普通の棍棒では無いのは一目瞭然である。

何か特殊な素材でできているようだ。

コルト「・・・・(ガロン・・・)」

そして、奥のほうから、こちらへゆっくりと向ってきている者がいる。

遺跡のアジト、そこはとてつもなく広い空間である。

大きな玉座にはサタンが座り、その横にも大きく広い空間が広がっていた。

その空間の奥はどこまでも続いているように思える。

コルトは玉座の方角を向いた。

そこにはサタンが足を組んで座っている。

白い帽子、赤がところどころにちりばめられたシルクハットをかぶっている。

顔には白いファントムマスクで覆われており、鼻とはっぺから下、口の部分は表にでている。

白いスーツを全身に来て白いマントには不思議な紋様が描かれている。

コルト「・・・・・(・・・フッ・・)」

そして、こちらへ向ってきていた者がススっと静かに到着していた。

その容姿は一見死神のようである。

黒いボロ布に身を包んでいる。

顔は・・・・肉が無い、骸骨である。

手には大きな鎌を持っている。

コルト「・・・・(ウィーブ・・・・)」

そして、それまでは誰もいなかった方角に一人の人影があった。

その方角をコルトは見た。

そこには神父のような男がいる。

首には逆十字のロザリオがさげられている。

帽子をかぶり、手には一冊の黒い表紙の書を持っていた。

コルト「・・・(・・キルクか・・)」

遺跡の空洞に設けられたアジト。

その中にはコルトを含めたその8名だけがいた。

たいした会話もなく、刻は過ぎていた。

コルト「・・・(ラグナ・・そして、オルアの姿が無いな・・)」

そのときであった。

タテノ「ラグナ様が帰ってきたぞ!」

タテノが立ち上がる。

そして、外ではラグナが着地していた。

翼をたたむとまっすぐアジトへと向ってきた。

ラグナ「戻ったぞ、何も変わりは無かったか?タテノ。」

タテノは応えた。

タテノ「はい、特に、コルトが戻ったくらいです。」

そのタテノの言葉にラグナは一瞬疑った。

コルト?消息不明のはず。

コルトに羽を渡していたラグナだけが知っていた。

たしかに、その羽からは死んだ状況がラグナには送られてきていた。

ラグナ「・・ばかな!」

ラグナはアジト内を見回した。

たしかにコルトはそこにいた。

ラグナ「コルト!・・・・何故?・・」

その状況をコルトは気付かないはずもなかった。

コルト「ふっ・・・どうしましたか?ラ・グ・ナ・様・(ニヤリ」

ラグナは警戒した。

ラグナ「・・サタン様!こやつはコルトではありません!」

その言葉に全員が身構えた!

タテノ「誰だお前はぁあ!」

ガロン「お前ぇえええ!」

サタンはあせった。

ラグナには見抜けて、自分には見抜けなかった事である。

サタン「ぬっ・・・(なんという事だ・・このラグナでさえ、この俺より・・)」

その状況にコルトは軽く微笑んだ。

コルト「たしかに、以前の私ではない、だが、誓おう、本物である事をな。」

全員が身構えている。

コルト「だが、皆さんには、失望しました。何故なら、こんなに雑魚だったとは、今まで気付かなかった事を・・・・」

サタンが動いた。

サタンの身体からは物凄い気のオーラが溢れている。

サタン「相手が悪かったな、死ね。」

コルトはまったく無防備にたっている。

コルト「無駄ですよ、貴方程度で私には及びもしない・・・・サタンよ(ニヤリ」

コルトはサタンを呼び捨てにした。

ラグナ「貴様、コルト、サタン様になんて物言いを・・」

コルト「ラグナ、あなたもこのような所でこのようなサタンのような道化に仕えて、貴方の方が強いのはわかっている、だが所詮は魔帝には軽く及ばない。」

コルトの身体から闇オーラが噴出しだした。

そして、辺りには突風が荒れ狂った。

全員は、とくに動じてはいないが、少しあせっている。

コルト「私は死んだ、そして生まれ変わったのだ、今は実に心地良い、貴様らが雑魚に思えて心より笑えてくるぞ、サタンよ、ラグナよ!」

サタンもラグナも、そして全員がどうする事もできない。

コルト「あらためて、自己紹介しましょうか、私は邪神王直属の魔皇、コルトでございます。」

サタン、そして、ラグナは反応した。

サタン「邪神王!」

ラグナ「魔皇!」

コルトからは大きな翼が現れていた。

そして、黒い鎧、所持していた剣もみるみるうちに魔剣へと変化していた。

髪の色、目の色、全てが変化している。

コルト「サタンよ、本気でかかってきてもいいのだぞ?、貴様ごときどうにでもなる、ラグナも死に急ぐならば相手になってあげてもいいぞ?」

サタン、ラグナを含む全員が今のコルトには叶わない事を身をもって感じていた。

サタンの頬には汗が流れる。

コルト「全員でたばになってかかってきても問題は無い・・それから、お前達、このサタンやラグナに仕えるのが嫌になればいつでも来るが良い、この私は西の魔城にいる。そこの魔帝神に仕えし者様のもとにいる。だが、お前とお前は来ても殺す。」

コルトはサタンとラグナに指さして言った。

そして、コルトは軽く魔剣を抜くと3度程軽く空を斬りつけた。

すると、何故かサタンがその場に倒れた。

コルト「やっぱり、雑魚ですね(ニヤリ」

サタン「・・・・うう・・な・・なんという・・」

サタンは倒れ伏している。

ラグナ「サタン様!・・」

コルト「心配するな、殺してはおらん、ではもう会う事もないでしょう、貴方達雑魚がいくらわめこうが魔帝には勝てない、素直に何処かへ消えたほうが幸せでしょう、ではさようなら。」

コルトはそう言うとスッと消えた。

ラグナ「・・・(コルト・・あいつの言っている事は事実だ・・しかし・・・)」

一方、コルトは遺跡を遥か上空より眺めていた。

コルト「・・・(仮にも仕えていた者達だ・・・まぁ、生かしておこう、今だけは、どうせ・・・・・・・最後は皆殺しかもな)(ニヤリ」

そして、コルトは翼を大きく動かすと大空の彼方、西の方へと消えていった。




-To 支配者に捧げる狂詩曲(1)-

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