作:ラグーンさん
6時12分、モウリア公国首都、クレサント
魔力で作られた無形剣、別名「気剣」を操る者達、魔剣士達が集う町である
町の中心部にはコロセウム、魔剣士達の議会は此処で行われ、重要な会議などは此処で、魔剣士達の守りの下行われる、これに反対する物たちなどの攻撃を防ぐためである。
北には魔剣士修練場がある。魔剣士は大量の魔力を一気に操らなければならないため、魔剣士になるためには勉強することが山のようにある、もちろん才能もだ。
南西には、何処とつながってるかも分かっていない"時空のひずみ"がある。タダ一つ分かっていることは、入れば、二度と戻って来れないことだけである・・・
大門は、ユグドラシアを抱え、コロセウムに入った。このような大きな問題は、魔剣士の長、大魔剣士に報告すればいいと思ったからだ
大門はコロセウムの中心部、会議場に入った。どうやら今は大事な会議があったようだ、ハイクラスの魔剣士達が集まっていた
エレノール:大門、お前がこのようなところで何をやっておる?
エレノールは彼を鍛え上げてくれた師匠のような物である、大門は彼のことをとても尊敬していた
大門:はい、この少女が、6時6分に何かが復活とか言っているのですが・・・
エレノールは、本当に驚いた顔をしていた
エレノール:大門、お手柄だ。彼女は探さなければいけない者だったのでな、探す手間が省けた。
大門:あ、ありがとうございますっ!
大門は褒めてもらえるのが嬉しくかったが、礼儀はきちんと、一礼して、部屋から出ようとしたが
エレノール:彼女を発見したお前には最後まで彼女を見守る義務がある。何、そう長くはならない、それにこれは本当の大問題だ・・・他の仕事をやってる場合じゃない
大門は少し緊張した様子だったが、誰も気にしなかった。大魔剣士が会議場に入ってきた・・・
サタン:ほぅ、中々良い所を見つけたのだな、ラグナ、良くやったぞ
ラグナ:ありがとうございます、サタン様
サタン:(まさかあの猫が、此処までの仕事をやり遂げるとはな・・・正直思わなかったよ)
ナターシャ:サタン様?
まだ可愛げの残る若い女が、サタンに何かを聞こうとした
サタン:なんだ?ナターシャ
ナターシャ:私たちは、一体ここへ何をしに?
ガロン:そうだぜサタンのおっちゃん、俺たちは何をしに来たのかすら聞いてない
今度はガッチリとした男がナターシャをどけて喋る
サタン:もちろん、修練の一環ですよ(笑
サタンは笑って答えた
ヘルグ:どう考えても修練には見えないのですがねぇ
額に目を持った男がガロンの後ろで囁いた、もちろんサタンに聞えるほどの声で
ヘルグ:この準備はまるで戦争ですよ・・・人の数から予想したまで、ですが
ラグナ:サタン様・・・
ラグナがちょっとため息をつき言った
ラグナ:彼らに、真実を教えていないのですか?
サタン:それは私の勝手だ、お前には関係ない
ラグナ:サタン様がそうおっしゃるのなら・・・
そのときだった
部屋の隅から、鋭い針が飛んできた、何かは分からなかったが。サタンはそれを片手で受け止めた
そして投げたのはどうやら、タテノだった
タテノ:・・・ラグナ様のことをそんなふうによぶんじゃねえ
サタン:ほほぅ、新入か?ラグナ
ラグナ:はい、まだサタン様が誰だか分かっておらず、申し訳ありません、タテノ、落ち着け・・・
タテノ:お前が誰であろうが、ラグナ様にむかってそんな口を聞く奴はゆるさねぇ
サタン:ほぅ、殺る気か?
タテノ:ああ、ラグナ様に謝らない限りはな
サタン:俺は奴を"救った"。俺が奴に謝る筋合いは無い
タテノ:じゃあ死ね
タテノはブーメランを取り出し、戦闘態勢に入る
サタンも立ち上がった
ラグナ:サタン様!
サタン:大丈夫だラグナ、ただのウォームアップに過ぎない。なぁに、殺しはしないさ
サタンVSタテノ
タテノ:覚悟しな・・・俺を怒らせればどうなるか・・・
タテノは聞いたことも無い呪文を唱え始めた、ブーメランが、どんどん鋭くなっていくような気がした
タテノ:・・・・終われ
タテノはブーメランをサタンに向かって投げた。それは一直線にサタンの方へ―――
サタン:温いな・・・ハ・デス!
サタンは空気中の気を一点に集中させ、解放した
それは見事にブーメランに命中したはず・・・が
サタン:な?
ブーメランは一層勢いを増して飛んできていた、ブーメランがサタンの頬をかすめる
それだけで、頬から大量の血が流れ出した
サタン:・・・ほぅ、なかなかの腕前だな
タテノ:言っただろう、ラグナ様をそんな風にいうやつは、俺が決して許さないと、な
サタン:なるほどな、では今度は私の番だ
サタンはそういうと、もう一度一点に気を集中させた。だが今回は解放せず、そのまま貯め続けた
サタン:くくく・・・これをかわせるかな?ザギロス!
サタンの腕から、魔力で形成された槍が突き出てきた。
サタンはこの状態で、タテノに突っ込む
しかしタテノは平然としていた
サタン:(何故だ?何故動かない)
サタンはタテノの事が全く理解できなかった、すると
タテノ:お前、遅い
サタン:なっ・・・?
後ろを見ると、そこにはタテノが立っていた
しかし前を見ても、タテノはさっきのように立っていた
サタン:(な、どういう・・・)
考える暇もなかった、タテノはすでにサタンの目の前に居た
なんとか槍で防いだが、守るだけで精一杯だった
サタン:(この男、何者・・・?)
槍が破壊されそうになったその時―――
ラグナ:タテノ、もうやめろ
ラグナの目は血のように紅かった。彼が持つ漆黒の羽からはいつもより強力なオーラが放たれている、魔鉄剣には紅色の何かが付着していた
タテノは自分の体を見て絶句した、胸が切り裂かれていた
痛みが彼を襲うが、彼はラグナにひれ伏し
タテノ:ラグナ様がそういうのであれば
と引き下がった
ラグナ:よろしい
ラグナは、何かを唱え始めた。
ラグナ:キュア!
タテノの体は、正常に戻っていた。切り裂かれていた胸も治されていた。
サタン:・・・ふん
ラグナ:大丈夫ですか、ラグナ様
サタン:あぁ、自分は大丈夫だ(このタテノとやら、只者ではないな・・・)
サタンはそう思った。あの時彼から放たれたオーラ、さっきの戦闘で自分が受け止めた、彼の力
サタン:(こいつは良い素材だ・・・)ところで
ラグナ:なんでしょう、サタン様
サタン:お前が見つけた最高の人材とは、どこにいるんだ
ラグナ:はぁ、それが、サタン様が到着する前から、姿が見えないのです・・・探してきましょう
サタン:それがいい、そうしてくれ
ラグナはサタンの命をうけ、空へと飛び立っていった・・・
オルア:はぁ、はぁ、はぁはぁはぁ・・・
オルアは昔住んでいたニコラスの学校跡地に居た。
さっき見た自分の父親、何年も会ってなかった偽の兄弟と再開・・・過去を忘れようとしていたオルアの心の中に、過去が蘇り始めていた
オルア:くそ・・・俺は・・・過去を・・・切り捨てる
オルアはやっと目的地に着いた、そこには、太い木が立っていた、直径8mはあるだろうか
此処は、彼が育った場所である
ラグーンやニルスと共に、笑い、泣いていた場所だ
この木に自分達は誓った、必ず戻ってくると・・・
バルガス:てめぇらさっさと動け!死にてぇか!
ラグーン:厳しい事いうなおよ兄貴ぃ
オルア:何言ってんだよ兄さん、僕たちは盗賊なんだから、早く動けないと・・・つかまるぜ?
ニルスが突然止まった
ニルス:・・・ちょっとまて
バルガス:ああん?なんだニルス、此処に居たら全員死ぬ!何でもいいがさっさといえ!
ニルス:この木、覚えてるか?
ラグーン:あ・・・この木・・・
ニルス:そうだ、俺たちがまだ餓鬼だった頃から、ずっと見守ってくれてた大木だ・・・
バルガス:で?
ニルス:俺はこの木に誓う、いつか必ず戻ってくると・・・ね
オルア:・・・僕も誓うよ、兄さん。必ず戻ってくるとね
ラグーン:ああ、俺も誓うぜ・・・
バルガス:ったくてめえらは!誓ってやるよ、絶対帰ってきてやるよばかやろう!
俺たちは・・・この木に誓った。この木は、俺の過去をもっとも象徴する物だとオルアは思っていた
オルア:・・・火炎斬!
オルアがそう唱えた。一瞬でその大木は炎に包まれた
オルア:そうさ・・・過去なんて関係ない。俺は過去を切り捨て、今を生きるんだ・・・ふふふ・・・
そうしてオルアは南東に向かった。邪神王の手下、魔帝がどれほどの物なのか、この目で確かめてみたかった
彼が起こした被害を見れば、大体力は読めるからである
オルア:ふはは・・・俺から見れば、邪神王だろうが、雑魚だ
オルアは覚醒させた翼を羽ばたかせ、南東へ向かう・・・
そのころメルド南東、長城建設現場跡地・・・
ゾンビの下に埋もれる、一人の男が居た・・・
バルガス:う・・・終わったのか・・・?
バルガスはどうやら、ゾンビにKOされて気絶していたようだ、立ち上がろうとすると体中が痛む
バルガス:イテテ・・・
バルガスは立ち上がった、そして、ゾンビの山を見て叫んだ
バルガス:俺は、無敵だあああああっ!!!
バルガスはそう叫び、自分の両手剣を持ち上げ、歩き始める・・・
大魔剣士:なるほど・・・そういうことですな、ユグドラシア様
ユグドラシア:はい大魔剣士様。多分彼らは、時空のひずみを通じてこの町へ侵入、占拠し、この町を基点に邪神王への復讐を・・・
大魔剣士:ことは大体分かりました、ユグドラシア様・・・エレノールよ
ただいまコロセウム内では超重要な会議が行われていた。ユグドラシアは、大魔剣士にサタンという男が復活を成し遂げたこと、この町を襲って占拠すると、そういうことを
教えた
エレノール:なんでしょう、大魔剣士様
大魔剣士:ことは我々の力だけでは解決できぬ、早急にルイス周辺の国々と同盟を結ぶ必要がある
エレノール:ルイス同盟国をもう一度?
大魔剣士:そうだ、このような大きな問題は数が多い方が有利だからのぉ
エレノール:了解いたしました、大魔剣士様
エレノールは大門に「ユグドラシアの護衛はお前に任せたぞ」と耳元で囁いて、コロセウムを足早に出て行った・・・
大門:(気をつけてください、マスター・・・)
大門は竜に乗るエレノールを見つめ、そう思いつつ、マスターから任された使命を果たそうという事を考えていた・・・
オルア:ん・・・こりゃあ凄い、ゾンビがばったばったと切り倒されてるな・・・仮面を被らなければ腐敗しそうだ・・・ん?人影だ、誰だろう
オルアは長城建設現場跡地の上空に居た、ゾンビの山の近くに一人、生きている男を見つけた為、念のため仮面を被り、下降する・・・
バルガス:ん・・・なんだ、堕天使・・・?
オルアは彼の顔を見た。確かにそうだ・・・バルガス兄さんだ
こいつも俺の過去を象徴する、オルアはそう思った。こいつも消そう、過去を消すために・・・な
オルアは暗黒魔大戦の事など全く気にしていなかった。過去を象徴する奴は殺す、邪魔する奴は殺す、殺して良い野郎も殺す、それだけだった
バルガス:てめぇ・・・誰だ!?
オルア:私の名前・・・オ、、、、いや、俺の名前は、ファントムだ
オルアはバルガスに気づかれても困ると思い、偽名を使った
バルガス:ほぉ・・・ファントムってんか。此処で何してる?
オルアは此処にいる理由が見つからなかった、とりあえず何か作り上げた
ファントム(オルア):私は、さっき襲撃してきた者の一味でしてね、生き残ったあなたを殺しに来たんですよ(笑顔
オルアはバルガスを本気で殺すつもりではあった、が、魔帝の一味であるといわなければならないことは、気に食わなかったが
バルガス:ほぉ・・・殺せるか?やってみるか?
オルア:ええ、あなたの力、試させてもらいましょうか(笑顔
ファントム(オルア)VSバルガス
バルガスは彼の両手剣をしっかり構えた。盗賊ってのは短剣を好むものだが、こんな体格のバルガスは重い両手剣や斧を好んだ
バルガスは長城建設現場に入った直後に、関門で取られた自分の両手剣を奪い取り、隠しておいてあった
襲撃があった時、バルガスは隠しておいた両手剣を急いで取り出して、ゾンビ達に突っ込んでいったのである
バルガス:俺と会ったお前は不運だなぁ・・・くくく
バルガスは両手剣を振り回しながら、乱暴にオルアに突っ込んでいく
ファントム(オルア):甘い!!!
オルアは高速で回避し、短剣を構え、加速しながら相手に攻撃する
バルガスは楽々と両手剣で守り、一本の短剣を弾いてオルアをぶん殴った
ファントム(オルア):く・・・
バルガス:お前雑魚だなぁ笑
ファントム(オルア):(さすがの馬鹿力だぜ兄さん・・・でも!)
オルアは弾かれた短剣をものすごいスピードで拾い上げ、構えの姿勢に戻る
そして音の速さでバルガスに接近し、一瞬で呪文を唱えあげた
ファントム(オルア):・・・FIRE CRUSH
短剣はバルガスにヒットすると共に火を帯び、その火剣はバルガスを直撃した
バルガス:くそ・・・熱ぃ・・・だが、これで死ぬ俺じゃねぇ!
バルガスは火の熱さをも我慢し、オルアに突っ込んできたのだ
バルガス:しねえええええええええええ!!!
バルガスは彼自身の全ての力を使って、オルアをぶった切った。オルアはなんとか回避したが、両手剣はオルアの体をかすめた
かすめた部分から、大量の血が噴きで、オルアは倒れる
バルガスは止めをさそうとした、が・・・
グシャアアッ!
バルガスは動けなかった、いや、動きたくても動けない
体から、血が溢れ出して止まらない。胸には十字に切り裂かれた後が残り、息が苦しくなってくる
前を見ると、今度は別の堕天使が立っていた
バルガス:お前は・・・俺の弟を誘拐した・・・堕天使・・・?
ラグナ:誘拐だなんて、物騒なことをいいますね(笑)あなたが殺そうとしてた彼が、あなたの弟だって言うのに笑
バルガス:な・・・お前が・・・オルア?
オルアは全く反応せず、ただ、立ち上がり、無言で短剣を振り上げ、バルガスの首を掻っ切る
彼の首が刎ね、血がそこら中に飛び散る。短剣にべっとりと紅い血が付着し、それはオルアの顔にまで飛び散った
ラグナ:・・・良かったのか?
オルアは無言でうなずいた
ラグナ:そうか・・・まぁいい、コルトが殺された
オルア:な・・・・・・んだって・・・
ラグナ:気づかれた可能性もある、ただ腹が減ったグールかも知れないがな(笑
オルア:どうするんだ?
ラグナ:サタン様がお見えになった。時は来たようだ、復讐の準備をそろそろ始めるそうだよ・・・
オルア:そうか・・・じゃあ先に戻っててくれ、俺はもう一つ、行く所がある
ラグナ:わかったよ。先に戻ってるぞ
オルア:ああ、頼む
二人とも、コルトがグールによって焼き鳥にされてることなど、知るすべもないであろう・・・(苦笑