作:ラグーンさん
昔々、人類がこの世界に存在しなかった時よりずっと前、いや、生物が存在した時代よりももっと前、いや、この世界が出来た直後とでも言おうか
この世界は、神々の住む世界であった
この世界は3,4つの世界に分かれていた、一つは今、一番栄えているであろう地上の世界
二つ目は、天使、妖精等が多く住む天界
三つ目は、悪魔、邪神等が住み着いている魔界、もう一つの世界は、まだ誰にも発見されていないが、某聖書にはその世界が存在することだけ書き残されている
話を戻そう、神々が全ての世界に満遍なく住み着いていた時代、世界は平和だった、ずっと、平和だった―――
しかし、世界を作り出した創世神は、それでは面白くないと思った、わがままな神である
彼が唯一世界とコンタクト出来るのは、全ての世界を繋げる世界樹ユグドラシルに思念を送るときだけだった
彼は、ユグドラシルを通して、こんな思念を送った
創世神:神々よ・・・この世界とは、真につまらないと思ったことは無いか?
平和な世の中など、何も無い平凡な物でしかない
そこで、私は世界を作り変えようと思う
そのために必要なのは、たった一人の支配者
それを、今日から3日間で、決めようではないか・・・
3日後にはラグナロクを発動する、世界が無となる
天界と魔界はこのまま残る、が、地上は無に返る
支配したければ残り、殺し合い、生き残れ
死にたくなければ、他界へ逃げろ
全ては君たちしだいだ
最後の一人が、次の世界の支配者だ
最後一人でなければ、世界は0からのスタートだ、全てが消え、誰も残らない
たった一人だけが生き残れるのだよ・・・
幸運を祈る
ラグナロク・・・・それは、神々の黄昏―――
それまで神々の世界であったこの世界を全て変えさせようという、創世神の願いの元・・・・・・
世界樹ユグドラシルの下、その地区で、神々の殺し合いは始まる
この地に生き残れるのはたった一神、一つの魂―――
それ以外の生きる方法は、たった一つ。
天へ逝くか、地へ潜むか・・・
それでも、この地で生き延び、世界を思うがままに作り変えたいわがままな神々は、殺し合い、生き残ろうとし、死んでいく・・・・
神々の黄昏まで、3日・・・
ほとんどの神々は、死んだか、諦め天へ逝くか、地へ潜み、自身の魂を残そうとしていた
しかし、まだこの地を収めたい神々は多く残った
ロキ、そして彼の娘ヘル、そして名も無き邪神王、そして、魔王サタン、本名は違うらしいが、本名は誰にも知られることは無かった―――
ロキ:ヘル・・・娘の君が・・・私に・・・逆らうと・・・言うのか・・・・・・?
彼女が自分の魔力で作り出した魔の剣、ヘルプレス
それは、斬った全ての物をカオスに返す、まさに闇の剣
それは斬られたものの魂をも切り裂いてしまう・・・
ヘル:あなたなどに・・・私は、止められないということよ・・・
ヘルはロキの腕を切り裂く!
ロキの腕がカオスに返り、ヘルに取り込まれる、ロキの肩から、紅の血が噴出していた
ロキ:ヘル・・・お前は・・・悪い神・・・
ヘル:私は神でもなんでもないのよ、私は王!死者の国ヘルヘイムを操る王よ!この界に私の居場所などないのよ・・・
私がヘルヘイムにとどまらず、わざわざカオスに返る危険を冒してまでこの界へ来たのは、この界を、新たな死者の国へと変える為!
死者による、死者の為の国を・・・創世するのは、この私!!!
ロキ:お前に・・・この界を統べさせなど・・・しない!
ロキは彼が持っていた唯一の武器、スルト家族から彼の片目を失ってまで取り戻した武器、レーヴァティンを抜き、走ってヘルに突っ込んでゆく!
レーヴァティンがヘルの心臓を貫く、ロキはヘルの心臓からレーヴァティンを抜く、レーヴァティンは紅に染められていた。
ヘル:あなたは・・・・あ、な、た、自身、の・・・む、す、めを・・・殺したのよ・・・あなたは、「名も無き彼」に、殺される・・・それだけは・・・頭に入れて・・・置きなさい・・・
そう言い残し、ヘルは絶命した・・・
邪神王:ソウカ・・・マサカヘルガ返サレルトハナ・・・マァ良イ、コンナコトハ予想済ミダ、問題ハ・・・魔物ヲ統ベル大魔王、サタン・・・・
サタン:・・・・・・
サタンは冥想していた、世界を統べる方法を探すため
彼は、冥想により世界をずっと見てきた、支配者決定の為の戦闘もこれで察していた
彼にとってはつまらない物だ、世界を統べるために自分の身体能力を使いはたし、他を殺して生き残るなど
サタンは、もっと賢かった。
今まで、何千匹もの魔物の精神内を操り、他の神を殺してきた
逆らうものは、サタン自身が彼らの精神を操り、脳内を蒸発させたり、自殺を彼ら自身でやらせていた
彼は、物、この世に生ける物すべての精神を操ることが出来た、抵抗されても、彼の精神力に勝てたものは居なかった。
サタン:つまらぬ世の中・・・我より精神力の強い者などこの世には存在せぬのか・・・・
このとき彼は、"この世"に、彼より強い"物"が彼より前からずっと存在しているなど、知りもしなかった・・・
黄昏まで、あと2日―――
ロキは自問した、もう、彼が知っている神々は全て死んだか、逃げた
なのに、何故・・・精霊から報告がこないのだ?
そしてロキは自答する、それは、まだ彼が見たことも無い神々が、まだこの周りに居るということ・・・
ロキ:一体・・・誰なんだ・・・?
そんな事を考えてる間だったのだろう、異変が起こったのは
頭が重い・・・何故だろうか、とても酷い頭痛がする・・・
そして、周りを良く見れば、何かに囲まれているでは無いか、頭痛のせいで良く見えないが・・・
ロキ:フェンリル・・・・?
そう、彼らの周りに居たのは、彼が種族の祖先を作ったフェンリル、別名銀狼、
得体の知れない竜も居た。
そして、なにやらこちらに近づいてくる、牙を剥いて
???:殺レ!
何処からとも無く聞こえた声を合図に、牙を剥いた狼と竜は一斉にロキに襲い掛かる
ロキは消えてなかったもう一つの腕でレーヴァティンを抜き、なんとか反撃しようとする、が、激しい頭痛のせいで上手く戦えない
ロキは剣を落としてしまった、それを見るとすぐさまフェンリルが彼の足を食いちぎった
ロキ:もう・・・終わりか・・・
ロキは、最後の力を振り絞ってその言葉を血で地に書き残し、食いちぎられ、絶命した・・・・・・・
邪神王:コレデ・・・私トサタンノミダ・・・サァ、精神内戦争ノハジマリダ・・・
サタン:ハッ!?
サタンは何か巨大な悪を感じた、彼よりも大きな"邪悪"を
サタン:一体、何だ・・・?
すると突然酷い頭痛が彼を襲う
サタンは動くことが出来なくなった、頭が重い―――
サタンは彼の精神の乱れを正す為の精神集中を試みたが、無駄だった、謎の"誰か"に抵抗できない
サタン:く、くそっ・・・
彼はとうとう"誰か"に操られてしまった 彼が望んでも居ないのに、彼は納めていた魔剣、"魔鉄剣"を抜き出し、腕に当て、腕を斬ろうとする―――
なんとか切り裂く所までは止めることが出来たものの、腕からは血が流れた
サタン:ダメ・・だっ・・・あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁああああ!!
それは突然だった、彼の体が吹き飛び始めたのは―――
眼は赤く光り、魔鉄剣は彼の手を離れ、脳内は今にも爆発しそうなほど熱い
巨大な気を感じる、何か、物凄く巨大な―――
その時、壁が思い切り吹き飛んだ、外から、見たことも無い黒いマントを羽織った男が入ってきた
その男はサタンに近づく、サタンはなんとか抵抗しようとしたが、体が動かない
その男はサタンの額に手を当て、呪文を唱えた、すると―――
彼は激痛に襲われた、意識が朦朧としてくる、考えることが出来ない、もう、何もすることが出来ないのか―――
サタンは意識を失った・・・
邪神王は精霊の告げを聞いた、彼は、告げられた場所に向かう・・・
サタンが目を覚ます
あれから何時間たっただろう、近くに邪神王は居なかった
サタン:ぁ・・・
自分の姿は酷かった、何故なら、"体が全く無かった"からだ
魂だけが地上を浮遊している形でサタンは生き延びていた、しかし、論理上これは普通無理だ、一体何故―――
周りを良く見ると、サタンの周りを亡霊が浮遊していた、彼らが精神力をサタンと共有することにより、彼は生き延びたのだろう・・・
邪神王は告げられた場所に立っていた、周りでは何千匹ものユグドラシルに憑く妖精が、彼を守っていた
邪神王:コレデ・・・我ハ・・・世界ヲ・・・作リ変エラレル・・・ハハハハハ!!!
亡霊:ハジマル・・・
一つの亡霊がボソッ、と呟いた 他の亡霊たちがサタンの周りを物凄いスピードで動き始めた
サタンは周りを良く見る、良く見れば、蒼かった空が暗雲に包まれていた
サタン:もしかして・・・これが・・・ラグナロクか・・・?
暗雲から漆黒の雨が降り出す、それは存在する全ての物を溶かすような、そんな雰囲気をかもし出していた
亡霊がサタンを必死で守ってくれた、何故だかは分からぬが
サタンは、生き延びる自身を取り戻した―――
何故だろう―――
邪神王はそう思い始めていた
此処はラグナロクから逃れられる唯一の場所らしい、なのに、ラグナロクは此処へも届いている
まさか、サタンが生き返ったわけでは―――
それはありえない、と邪神王は思った、彼の体は自分の気力によって消えたはず・・・
でも―――おかしい
妖精たちが厳戒態勢をとり始めた、魔力によって強力な防壁を作り上げ、此処を守る
ついにラグナロクは此処をも侵し始めた、魔力で作り上げられた防壁も虚しく、妖精たちは流されていく
邪神王は怖くなった、生き延びる自身を失い始めていた
逃げ道はもう無い、そう思ったその時―――
ラグナロクは終わった―――
地上は洗い流された、今は、存在する生物は何も無い
我の魂と、亡霊たちしか―――
サタン:そろそろ・・・
サタンが亡霊に質問しようとすると
亡霊:ツイテコイ
その質問をさえぎって、亡霊はサタンを誘導し始めた
サタンは抵抗することなく、それについていった―――