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第58話:長い夜〜最終章〜

作:最上さん


-From 57-
すでに時は4時・・・もうすぐ日が昇る・・・
長い激戦、鳴り響く宵闇の空襲警報、消え行く命・・・
島を紅く染める炎、空を埋め尽くす龍と戦闘機、飛び交う弾幕・・・

長い夜はもう少しで終わる・・・
だが此処にたどり着くためにたくさんの犠牲を出した・・・
冷たい海に浮かぶ残骸・・・
とうとう残り数体・・・味方は・・・あと数百人居る・・・
敵には増援部隊は居ないようだ・・・
疲れた状況でも的確に状況判断をし、攻め込んで行く者達・・・
守るべきものを守るために・・・
攻めるべきものを攻めるために・・・


「もう少しで・・・終わる・・・」
兵士がつぶやいた。また、別の兵士が言った
「さっさと片付けよう」

終わった・・・
戦いが終わった・・・、最後の敵が墜ち、ドルフ軍は生き残った・・・

そして・・・
長い夜が・・・終わった・・・
朝日が、やっと顔をだして、あたり一面を照らし出す・・・
薄紫がかかる空・・・
・・・気づけば、アレだけ鳴り響いていた空襲警報が止んでいた・・・
疲れをためた彼らは、涙を目に浮かべながら、太陽を見つめていた・・・
「やっと終わった・・・とうとう終わった・・・」
最上が疲れ切った声で言った・・・
「やっと終わりましたね」
泥だらけになり、あちこちから血を流しているにもかかわらず、近くに居た家臣や兵士は笑いながら言った・・・

彼らの作戦ミッションは成功した・・・
彼らの守りたかったモノ・・・
この、彼らの笑顔は最後まで守ることが出来た・・・
ある者はなきながら笑い、ある者は微笑み、
また、ある者は安堵の故、その場に寝てしまった・・・
その時救援部隊が到着した・・・
水無月島の光景は変わり果てて、ひどい有様だったが、
それはまた復旧させることが出来る・・・
失ったものはかなり大きいが、何かとてつもなく大切なものを彼らは見つけたような気がした・・・
まだ頭の中に鳴り響く空襲警報、
だが、それももうすぐで鳴り止むだろう・・・
今回の戦闘の犠牲者は民間人1万3000人中3000人・・・
軍人は3万人中1万人・・・
島は市街地の5分の3と、一部の施設と対空砲塔、高射砲がいくつか潰された・・・
帝國の新兵器も水無月島の近く・・・約1kmほどに半分沈んだ状態で残った・・・
「また、復興で忙しくなりそうですな」
開発局長のロンメルが笑いながら言っていた・・・
「なに、これだけ優秀な兵士達が居るんだ、すぐに直るさ」
側近のグラマンが答えた、
「じゃぁ、そろそろ復興の計画でも立てる?」
最上が冗談交じりで言った。

あちこちで救助活動が行われ、数千人が助けられた・・・
・・・【水無月島の惨劇】・・・
そう呼ばれた今回の事件は・・・朝焼けと共に幕を閉じた・・・
長い夜は終わり、笑いながら手当てを受け、まだ紫がかかった空を見上げている彼らを、遠くから朝日が眺めていた・・・

-To =闇よりの使徒=《序章》-

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