前回までのあらすじ
騎士団長のミスで城が破壊された



城は壊れても国までが無くなった訳ではない
モモドスの公王は城が再建されるまでの間、家から家へと泊まり歩いていた
「しかぁし！そんなある日、町で食い逃げが頻発していると聞いた公王
食い逃げを捕まえるため、騎士団長の剣が唸る！先代が説教する！
そして公王の偉大さに食い逃げは改心し、さらに威光が高まることであろう！」

「…あなたまで何を言っておられるのです、王」

「うむ、先ほども言ったとおり町で食い逃げが頻発しておってな。
儂らが退治することで国民の支持率も急増！女の子にもモッテモテという
計画なのじゃ」
「そのとおりです！先代！さあ、我らの力見せてやりましょう！
そして女の子にモテモテ！」
「…しかたがない、言っても無駄でしょうし二人だけでは心許ないですからな。
儂もついていきましょう」

…まあ、いつも振り回されてる分諦めもはやいんです。

「さて、皆さん。私たちは商店街に来ております！
おお！さすがは国一番の大商店街！人も店もたくさんですなあ！」
「うむ。まあ、儂の国じゃから当たり前じゃな！」
「しかし、ここまで広いとどの店で網を張るべきかわかりませぬな…
どう「食い逃げだー！」な、なんとご都合主義な！」
「そんなこと言っている場合じゃないじゃろう！
三十分しかないんじゃし、さっさと追わんと見失うぞ！」

そういって走り出す３人。しかし食い逃げ犯（仮）も速い！
３人は果たして追いつけるのか！？
チャーラーラーラーラー♪チャチャチャ♪（アイキャッチ）

今回ご紹介するのは、モモドス印のブロードソード！
世界に誇る技術力で、貴方の冒険を快適に！
お値段はモモドス銅貨で八百！しかも、今買うともう一本ついてくる！
「儂も納得！」

チャーラーラーラーラー♪チャチャチャ♪（アイキャッチ）
なかなか追いつけないまま郊外に出てしまったその時、
逃げるのに疲れたのか食い逃げ犯（仮）が振り向いた！

「ぜぇ、俺を、はぁ、ここまで追いつめるとは、ぜぇ、なかなか、グボッ！
ゲホッ！ガハッ！ハァハァ…やるな！」

そういって３人を指さしてくるが当の三人は

「…なんじゃ、あいつ」
「ただの魔術をかじった根暗男でしょう？ローブに杖なんてお決まりの服装ですしね」
「根暗で持久力が無いからといって侮ってはいけませぬぞ！
魔術の腕前は見た目ではわかりませぬからな！」

「…根暗根暗と連呼するな貴様らぁ！」

「…気にしてたんじゃろうなぁ」
「根暗なのは変わらないのに…」
「まあ、あんな風に言ってますから根暗と連呼するのはやめてあげましょう」

「と、とにかく向かってくるなら容赦はしないぞ！？
さっさとあっち行け！さ！ほら！」

などとジェスチャーまで使ってくる根暗（仮）
だが、さすがにここで引き下がるわけにはいかない３人

「ふん！それはこっちの台詞じゃ！抵抗するなら容赦はせん！」
「ほう！それならば死ねい！」

そんなありがちな台詞を吐くといきなり根暗（仮）が後ろを向いた
そして次の瞬間、王の体が消滅する！

「はっはっはっ！見たか！これぞ魔術の極み、物質昇華！
これを受けた者は分子レベルにまで分解されるのだ！」

得意げに高笑いする根暗（仮）だが、次の瞬間その笑みは驚愕に変わる

「なにぃっ！？」

なんと、王の体が何もないところから猛スピードで再生していくのだ！

「な…ば、化け物め！何故死なん！？」
「フッ…ならば教えてやろう。ギャグキャラは死なんっ！」

いや、王様ぶっちゃけすぎ

「そして貴様の弱点も見切った！貴様の弱点…それは！
修行不足で魔術が尻から出ることじゃあっ！」
「ぐ…いいだろ！別に！使う魔術は最高峰の物なんだから！
とにかく…もう一度くらえ！」

言うやいなやもう一度後ろを向こうとする根暗（仮）。
「させんわっ！二人ともっ！」
「ええ！」
「いくぞ！」

そして、戦隊物のようなポーズをとる３人！

「いでよ！究極神像！ＴＨＥ！凰雷魔！」

３人の叫びに答えるように地面を割り、鋼鉄の巨神が現れる！
白い装甲と数十メートルの巨体、その身に秘めた力は云十万馬力！
これぞ、モモドスに代々伝わる古代神像、ＴＨＥ凰雷魔！

「な！？これは反則じゃないか！？おい！？」

慌てて逃げる根暗（仮）。だが、もう遅い
神像が手を合わせた瞬間、閃光が疾り根暗（仮）を包みこむ！
本来なら原子分解されるところだが今回は捕獲が任務
後には黒こげになった根暗が残された

「フッ。見たか根暗！これが我らが究極神像の力だ！」
「まあ、しっかり弱点もあるんじゃがの？」
「王！どこに間者がいるかもわからないのにそんな事言わないでください！」

とりあえず、根暗（仮）を捕まえたお礼に金一封をもらった事は記しておこう

強いぞ！凰雷魔！凄いぞ！凰雷魔！
これからもモモドスのため、戦うのだ！凰雷魔！

神像計画　ＴＨＥ　凰雷魔　　続く

モモドス魔術放送協会がお送りしました



この時は、こんな平和な日々が続くと思っていた…