作:邪神王ウロボロス
セレン達一行と再会を誓い、京介は一人、ノアフ共和国の伝説の鍛冶屋へ会う旅へと出たのであった。
そして、幾月幾日の旅の末、京介はなんとかノアフ共和国へと到着したのであった。
京介「あれが国境か。」
京介は国境の入口へと向かった。
入口には衛兵が2人立っていた。
ノアフ共和国の衛兵の容姿は他国と違い、それぞれ違う鎧を纏っていた。
衛兵「止まれ!、何者だ貴様?、ここへ何しに来た?大きな石を持って、あやしい奴め!」
衛兵はキッ!と京介を睨み、そして、問いかけた。
京介「このノアフ共和国に、腕の利く鍛冶屋がいると伺ったので、参ったのだが、中へ入れてもらえないだろうか?」
衛兵「はっはっはっはっ、何処で誰にそのような事を聞いたのかは知らぬが、ここには、そのような者はおらぬな。早々に立ち去れ!」
早々簡単には中へは入れてもらえないようであった。
だが、ここで、京介は引き下がる訳にはいかなかった。
京介「何故、そう言い切れる?、もしも、本当にいないと言うのであれば、自分の友人が嘘でも言ったとでも言うのかな?」
衛兵「貴様の友人とやらは、何処の誰だ?」
京介「セレンという女性ですが、名を言って御存知ですかな?」
衛兵の動きが止まった。
衛兵「・・・」
京介「どうかしましたか?」
衛兵「この御時世、この入口からは入れる訳にはいかん、・・・まあ、他から入れるならば黙認しよう、しかし、この、ノアフの国境壁は、北方には闇の密林が隣接している、そこにはとてつもなく強暴にて巨大な魔狼達がいる、したがって、その魔狼が入ってこれない程の頑丈なる高い壁を設けている、国境壁の上には我らの衛兵が警護見張りをしているが、闇の密林側では、魔狼達に立ち向かえる者もおらず、壁だけが異常に高く、そして、衛兵はいない。だが、死にに行くようなものだからやめておけ。」
衛兵はニヤリと微笑んだ。
京介「そうか、どうしても入れてもらえないか、では、戻ろう。」
京介はその場から去り、そして、進路を北方へと足を向けたのであった。
衛兵達はそれを遠目に見ていた。
衛兵「まあ、物好きな奴もいるものだ、あいつ、北方へ歩いていったぞ。」
もう一人の衛兵が言った。
衛兵「どうせ、無理ですよ。それに、あの石、あんなのよく運んでますね。あんなおっきい岩みたいなの。。。」
京介は北方へと歩いていた。
北方といってもさすがはノアフ、国の国境沿いというだけあって、かなり遠い。
だが、京介は躊躇せずに歩き続けた。
遙か遠くのほうに見えている。
そこは、まるで何かが違っている。
ノアフの国境沿い。
空は雲ひとつ無く、晴れわたっている。
だが、遙か遠く、そこだけは違う。
暗い・・・・
京介「・・(あそこは?あの厚い暗雲は?あそこか?)」
衛兵の言っていた事はあながち嘘ではなかったようだ。
そこは何かが違っているように思えた。
京介の歩く国境沿い、ずっと長く長い道のり。
国境の壁の上からは衛兵が辺りを監視している。
そして、京介の周囲は草も無い荒地となっていた。
衛兵「おいおい、あいつ、なんだあの岩は!?石?。」
壁の上の衛兵が京介を発見してつぶやいた。
衛兵「あんなのはほうっておこ、どうせ頭がいかれた奴に決まってる。」
衛兵「それもそうだな。」
京介は少し足を早めに歩いた。
先を急がねば、それだけを考えて。
まあ、それはそれは鍛えられた京介である。
並の人では無い。
歩くといっても、けっこう早いのであった。
だが、まだ相当な距離を歩かねばならなかった。
そして、日も暮れて、夜になっていた。
京介「そろそろ、ここで休むとするか。」
夜、京介はそのへんの朽ちた木を拾ってはそれで焚き火をした。
パチパチ・・
京介「・・(あの暗雲、魔狼、あそこにはそういった魔物がいるのか。)」
物思いにふけて、京介は眠りについた。
寝ている京介。
ふところに置いた石の周囲でかすかな異変がおきていた。
石のそばの空間がよどみはじめた。
そして、空間にかすかなひびが現れ。
そのひびから空間はわれ、その空間には穴があいていた。
その穴から何かが飛んできた。
小石のようである。
そのあやしげな小石は京介の石にぶつかった。
そして、融合してしまった。
穴のあいている空間は、まるで何事もなかったかのように、閉じていた。
そして、夜もあけ、京介は目を覚ました。
京介「う、ううん・・・はぁ・・朝か、今日も歩くとするか。」
そばにおいていた岩のような石をかかえると京介は再び進路を北方へと向けたのであった。
あれから、数日経過していた。
京介は止まっている。
目前には大きな森がある。
京介は闇の密林の入口へと到着していた。
京介「これが、衛兵の言っていた闇の密林か。」
京介は中を見つめている。
中からは腐敗した臭気がかすかに漂ってきていた。
京介「ん?くせぇな・・、それに、このおぞましい気配はなんだ?、まるで、俺が入るのを何者かが待っているようだ。」
森の奥から京介を見つめる視線。
京介は察知していた。
今から森へと入ろうとする京介に魔狼が気付いていた。
そして、今か今かと入ってくるのを待っているのであった。
間違いなく、京介が入ったとたんに襲いかかってくるのは間違いなさそうだ。
京介にもそれは理解できていた。
だが、ここで引き返す訳にはいかない。
京介はそう心に誓い、中へと進む覚悟を決めたのであった。
京介「ふっ、さて、魔狼の巣窟。餌にならぬようにせねばな・・ただでは餌にはならんよ俺は(ニヤ」
京介は中へ入った。
グルルルルル・・・・
ザッ・・ザザ・・
京介めがけて何かが走ってくる。
でかい!。
一匹だけだが、とてつもなくでかい。
京介「ぬ!、早い!」
カシャカシャン!
京介は両腕から仕込み刃を出して戦闘態勢に入っていた。
魔狼だ。
すごい速さで森を駆け、あっという間に目前で停止していた。
ハッハッハッ・・・
グルルルルル
口元からはよだれが垂れている。
ポト・・
ジュワワ・・プシュシュ・・
魔狼のよだれは何でも腐敗させてしまう。
京介「化け物め!」
魔狼は京介をおいしそうに見つめている。
ハッハッハッ・・グルルルルル
京介の額からは冷や汗が流れていた。
京介「・・(ここは先を急がねばならんが、どうやら急がせてはくれなさそうだな・・)」
魔狼が動いた。
前足を大きく振り上げて、京介をなぎはらおうとした。
京介はすばやく流れるように身を動かしてよけたが・・わずかに魔狼の爪が肩をかすった!
京介「ぐは!・・」
京介はそのまま吹っ飛ばされた。
少しかすっただけのはず。
魔狼の力のでかさがここで初めて京介は実感させられた。
京介は少し離れた腐敗樹まで飛ばされていた。
ドン!
ドサッ!
京介「ぐっ!なんて力だ・・まともにやりあえる相手ではなさそうだ・・・くそっ、こんなのがここでは群れてるというのか、しかし、ここで死ぬ訳にはいかねぇ。」
魔狼は京介の方向へと突進してきていた。
まるで、獲物で遊ぶが如く。
京介は身構える。
京介「すまんな。ちょいとだけ痛いかもしんないが、許してくれ。」
魔狼はそのまま京介に突っ込む。
京介「無影魍魎斬!!」
京介の技が炸裂した。
魔狼の鼻の先端が何枚にもスライスされたようにはがれていく。
ギャウン!
ぼとぼとぼと・・
魔狼の血が地面へと落ちていく。
その血液もまた腐敗効果があるようだ。
ジュワワ・・
だが、魔狼は一瞬だけひるんでいた。
京介「・・(なんてやつだ!やはり逃げるしかないか・・今しかない!)」
魔狼の再生力は恐るべきものだ。
スライスした鼻先からは血も止まり、みるみるうちに再生していく。
京介は逃げた。
がむしゃらに走った。
そして、目前には国境のとてつもなく高い壁があった。
魔狼は京介を追いかけてきていた。
京介「この壁、越えねば・・思ってた以上に高い壁。このままでは魔狼の餌食だ・・」
そして、魔狼はすでに京介の目前に来ていた。
ハッハッハッ・・・
京介「ぐっ!ノーダメージ!?万事休すか・・・・・」
魔狼に与えたはずの傷は奇麗に治っていた。
京介はこの場をどう切り抜けるか考えていた。
京介「ふっ、・・・・・・多少あらっぽいがあれしか無いか。(ニヤ」
グルルルル・・
京介は壁のほうへと身構えた。
京介が動いたと同時に魔狼は京介に襲いかかろうとした。
京介は壁に向かって大きく跳ね跳んだ、そして。
タンッ!
壁を軽く蹴る。
三角跳び!
だが、それでは魔狼の方向へ!?
京介はそのまま魔狼の鼻先に!!
魔狼は後足で立ち上がって京介を薙ぎ払おうとするが、京介はそのまま壁へとジャンプ!?
タン!
今度は魔狼の方角へ落下していった!!
万事休す!
そのときであった。
魔狼は落ちてくる京介に向かって大きく前足を振り上げた!
京介「くっ!これを待っていたっ!!」
魔狼は京介を前足で薙ぎ払った。
京介「ぐはぁ・・・・・・!!」
京介は大ダメージをうけていた。
魔狼の払った方角がうまくいき。
京介の思惑どおりに上へと飛ばされたのである。
京介「とどけば、越えれる。。。しかし、とどかなければ奴の餌・・・ふっ・・・・」
京介は上へと飛ばされ続けている。
そして気を失った・・・